日曜日に2本の映画をDVDで観ました。
『自虐の詩』は、僕が大好きな堤幸彦監督の作品。
『
ケイゾク』『
トリック』『
サイレン』…と、変わった映像作品が特徴的な人ですが、たまに『
明日の記憶』とか、真剣な作品を制作したりします。
『自虐の詩』も、映像自体は遊び心満載で、しょーもないシーンが多いのですが。
何をやっても幸せになれない女の人生を描きつつ、ジリジリと人間の本当の「生きる姿」を、淡く描いている作品でした。
中谷美紀は『嫌われ松子の一生』で同じように何をやっても幸せになれない女という役柄を演じていたのですが、こちらはまた違った味わいで、本気で「何が幸せだろう?」と悩むキャラクター。見ごたえありました。
『幸せのレシピ』は、とあるレストランのキッチンで働く、女性シェフのお話。
物心ついた時から料理を覚え、それからずっと料理にすべてを捧げてきた主人公が、不幸な事故で母親を亡くした姪っ子、そして陽気な性格で人生を楽しんでいる男と出会い、少しずつ新しい世界に触れ、変わっていく物語。
物語の中で、特に印象に残った台詞があります。
主人公が、陽気なスーシェフの彼とモメている時。
彼女がクールダウンするためにいつも入る冷蔵室から、キッチンを指して言います。
「ここは私のすべてなの!私の人生なのよ!」
すると、彼は少し寂しげな表情で言い返します。
「いいや違う、ほんの一部だよ」
人生すべてを料理に懸けてきた女性シェフが、やっと手に入れた“自分のキッチン”。
そこがすべてであり、かけがえのないもの。
…でもそこは、あなたの人生の一部でしかない。
執着して、がんじがらめになって、それこそ束縛されてしまうのは、違うんじゃないか。
そんな問いかけが、とても僕の胸に響きました。
幸せって、とても漠然としているもので。
それこそ最終的には、自分の中にしかその答えが無いんですよね。
目の前のモノに、縛られすぎるのは、本当の幸せではないのかも知れない。
映画の締めくくりに、こんな台詞があります。
「幸せのレシピは、あなたの中にもうあるでしょう。
あなたの書いた(描いた)レシピ通りに、幸せを作っていけばいい」
僕も絶対、幸せになるぞ。
と、思いました。
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