コーヒーを買いに、コンビニに入りました。
店内にはお昼時ということもあり、やや多めのお客さんたち。
また、商品搬入などの時間帯でもあるようで、店員さんが少し忙しそうです。

僕は１２０円の缶コーヒーを手に取り、レジに向かいます。
３つのうちの１つのレジは、人手が足りないのか閉めてあり、２つのレジが稼動しています。
そのうちの１つのレジが空いたので、僕は缶コーヒーを置きました。

「１２０円デス」
言った店員さんは、アジア系の方のようでした。
でも、日本語には慣れているようで。

僕は千円札を出しました。

何のへんてつも無い、ごく普通の流れ。
店員さんが受け取り、おつりを差し出します。



「８８０円でした～」



…おっ!?
こちらにはそれ以上何も言わせない、見事な居合い斬りかのような言い捨て。

はい、８８０円でしたね。

間違いないです。


「……」


僕は黙って店を後にするしか出来ませんでした。
彼は、只者ではないな…。